2010/07/21

過去からの使者(後編)

ある年、同窓会があり、そこで友人が喫茶店をしている事を聞き「どれ、売り上げに協力してやるか…」(笑)と訪ねてみた。店内には、ホーロー看板だの昔のキャラクターの人形だの、昭和レトロな品々を所狭しとディスプレイしていて、私としては非常に居心地がいい場所となったの言うまでもない。

店主である友人に色々話しを聞けばヤフオクなんかにもマメに出品し、少しでも売り上げを伸ばすように努力をしているそうで…頑張ってるなぁ、と感心。

何度目だったか、入店してみると奥の方のテーブルに雑誌を積み上げてなにやら作業中の友人が…よく見れば古いマンガ雑誌が5~6冊ある。私の大好物ではないか!

「これどうしたの?」と聞けば、近所の廃品回収先で見つけたとの事で、20冊くらい引き上げてきてヤフオクに出品し、その売れ残りがコレだと言う。「イイのがあったら買ってって~♪」と抜け目なく一言付け加える友人に「この、商人野郎め!」と、怒りの言葉を心の中でつぶやく私(^^;)。

で、先ずは表紙をながめ掲載マンガや作家のチェックをと、取り上げたその一冊目「月刊別冊少年マガジン9月号」の、その表紙右下を見たとたん「!」ずっと気になっていた。あの「ゴキブリ」のキャラが、そこに描かれているではないか!「まさか…まさか…」と思い、はやる心を抑えつつページをめくる。そして…

「あったぁぁっ!!!」ついに見つけた!これだ!このキャラの、このポーズ!

念のため発刊日の年数も確認してみると1969年(昭和44年)と記載されてある。時期も合ってる!まちがいない!

見つけた喜びで思わず唸ってしまったので友人がビックリして「どうしたの?」と聞いてきたので、手短に経緯を話すと「そんなコトもあるんやねぇ…」と驚いていた。

それなりの額を支払って、その雑誌を手に入れた私の心に、なんとも言えない充実感と、あの夏休みの思い出がよみがえってくる。

これは私の宝物だ。だれがなんと言おうと…

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